会員特集:ひろしまITフェス2025 — 広島のITがつなぐ人・地域・未来

広島県内外のIT企業が集結し、最新のデジタル技術と地域の可能性を発信するイベント「ひろしまITフェス2025」が、10月22日(水)・23日(木)の2日間にわたり開催されました。2023年の初開催に続き2回目となる今回は、展示会と講演会を併催し、IT業界関係者、地元企業、学生を含む市民らが一堂に会する活気ある催しとなりました。

入場口のポスター

最新技術を体感できる展示エリア

展示会場の様子

展示会場では、広島県内外の企業によるAI、クラウド、IoT、セキュリティなど様々な側面からITT関連の取り組みが紹介され、来場者は、熱心に出展者の説明に耳を傾けていました。特設コーナー「XR Corner(企画・運営:株式会社ビーライズ)」では、来場者が仮想のスマート工場を舞台に、異常検知や遠隔修復などを体感できる実践的なデモンストレーションが注目を集めました。

このように、地域の製造業や中小企業が、ICTを味方にしていかにイノベーティブなビジネスを展開できるかを具体的に示す展示が多く、またに「体験」「対話」「出会い」がそろった、地域の産業ニーズにこたえるITの融合を実感できる内容となっていました。

実務に根ざした講演プログラム

アップコンパス合同会社 代表 石原由美子氏による講演(会場照明の都合により、画像は一部加工しています)

講演プログラムでは、「生成AI」「地域DX」「人材育成」など、幅広いテーマが展開されました。

1日目の基調講演では、日本マイクロソフト株式会社 西脇資哲氏が「生成AIは登場から3年、AIエージェント時代へ」と題して、生成AIの進化とビジネス活用の最前線を紹介。
続くアップコンパス合同会社 代表 石原由美子氏による「チャンス到来!中小企業のデジタル化・DX」では、ITを難しく感じる中小企業が一歩を踏み出すための実践的なヒントや、現場に寄り添った事例が共有されました。

その後も、マツダ株式会社のAI活用事例、株式会社ジョルテによる地域情報プラットフォームの紹介など、地元から全国に発信できる技術や事業モデルが紹介され、幅広い層の関心を集めました。

2日目には、XR技術を活用した体験型セミナーのほか、活力ある地域づくりの鍵となると言われている女性や若者の定着に着目した講演「若者や女性に選ばれるICT地域づくりセミナー」が実施されました。さらに「HiBiSインターネットビジネスアイデア学生コンテスト2025」では、地元大学生によるICTビジネスアイデアの発表が行われ、次世代の担い手育成にもつながる内容となりました。

地域に根ざしたDX推進の広がり

今回のフェスでは、地場のものづくり企業がDXに取り組む中で、経営現場のニーズに寄り添った講演や実践事例が多く紹介されたことが印象的でした。ITを“導入する側”と“支援する側”の双方が対話し、課題や成功事例を共有することで、地域発のイノベーションをどう実現するかを共に考える場として機能していました。

産学官が連携し、地域のデジタル人材育成と産業の持続的発展を目指す広島の取り組みは、今後さらに注目されるでしょう。

主催団体紹介:広島県情報産業協会(HIA)について

広島県情報産業協会は、広島県内のIT関連企業を中心に組織された業界団体です。地域の情報産業の振興を目的とし、企業間の連携促進、人材育成、産学官の協力体制づくりなどに取り組んでいます。

  • 発足:昭和61年
  • 会長:上田 康博(株式会社 エレコム情報サービス 代表取締役社長)
  • ホームページhttps://www.hia.or.jp/

ひろしまITフェス」は、同協会と行政、経済団体からなるひろしまIT推進実行委員会が主催し、地域のITコミュニティとともに広島の未来を共創する取り組みとして、「ひろしまIT総合展」と相互開催することにより、地域に定着しつつあります。

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